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とまとの成る木

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2012年 09月 27日

パテ

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イタリアの高速道路は素晴らしい、という噂を、渡伊前に聞いた。当時、私は日本で二輪の運転免許しか持っていなかったし、2年間滞在のつもりで、こっちで二輪に乗るつもりも、普通免許を取るつもりもなく、あまり自分とは直接関係のない事であったので、都市計画の一部、としてちょっと覚えていた程度であった。

ところが実際こっちに来て、仕事の休みを利用してトスカナやエミリア、ウンブリア地方を電車で旅行しているうちに、ふと、そのことを思い出し、同僚のイタリア人に尋ねてみた。当時勤めていた某設計事務所の所員は、私の他に、シチリア島出身4人、イタリアのつま先のカラブリア出身1人、ナポリ1人、ローマ5人、東京1人であった。イタリア人所員は、全員ローマ以南の出である。

彼らは口を揃えて、「電車がうまく機能しないから自動車道路が発達した」と言っていた。 その当時、イタリア国内で移動をする時、所要時間が同じか長く、本数が非常に少なく、時間にルーズな電車より、好きな時に出発できて、好きなだけ荷物を持って、階段の上り下りも要らない自家用車での移動がほとんど選択技として圧勝していた。

例えばローマーミラノ間、580km。電車で6時間、高速で5時間。今のようにネズミ捕りもあまり普及していなかったから、4時間余でぶっ飛ばす人も少なくなかったと思われる。現在の夫の実家のあるプーリア、バルレッタまで、400km、電車で5時間、車で3時間半。そのバルレッタからミラノは840km、電車で途中、ボローニャ乗り換えで約7時間、車で7時間半。これは電車が勝ちだ。その頃、東京ー大阪間(520km)を、ひかりで3時間を切り、のぞみで2時間半、という記録が塗り替えられたばかりの日本から来た私にとってはちょっとしたショックであった。

無論、速さばかりを話題にして、この国の交通事情をけなし続けるつもりは毛頭ない。その当時は、電車料金はものすごく安かった。はっきり覚えていないが、ローマーミラノ間は、3000円位だった記憶がある。その後、特急列車であるインターシティー、ICができ、それなりに特急料金加算、値上げと続いたが、現在のユーロスター、イタロ誕生までは、電車賃の値上げばかりして、機能面は全く改良せず、と言われ続ける。

悪口を叩かれていた理由として、一つに、新しく出来たICは、出てすぐに発表される所要時間と、実際にかかる時間の差。公表される所要時間とは、出発点で電車の扉が閉まってから、到着点で扉が開くまでの時間でなければならない。ところが大抵、その時間になり、到着点の駅が見え始めた頃、車内アナウンスで「本日のご乗車、まことにありがとうございます。 間も無くローマ駅、"時間通り"の到着でございます。」

その直後、停まる。 信号待ちである。

イタリア人はせっかちであるから、もうそのアナウンスのかなり前から荷物を両手に持ち、通路に並んで立って待っている。早くて10分、遅くて20分ほど停止した後、ノロノロと運転を再開してやっとホームに入る。だから実際は10分から20分の遅着、である。それが普通だった。 そして新ダイヤ更新の度に、所要時間が引き延ばされる。遅れの公然化である。

もう一つは、イタリア国鉄が新車両を開発する時。 まず、ローマーミラノ間で使用される。それまで使われていた旧車両は、内部リニューアルさえ皆無のまま、ローマ以南の路線に回される。元同僚達は、「南部出身の自分達は臭いからそれでちょうどいい、」と皮肉る。このシステムは、現在でも使われているようだ。

材料
レバー (鶏、豚など。こちらでは仔羊やうさぎ肉などもよく使われる) ブツ切り 300g
玉ねぎ 粗い微塵切り 大2個
コニャック 約100-150cc

タイム、マヨラナ、ローズマリー、セージ 微塵切り 生のものがベター、各小さじ1
オリーブ油 大さじ6

作り方
1. 深めの小鍋で玉ねぎをオリーブ油で炒め、しんなり透き通ったら肉を加えて表面が白くなるまで中火で炒める。
2. コニャックを加え、強火で1ー2分、アルコール分を飛ばしたら火を弱め、ハーブを加えて蓋をして30分煮る。
3. 蓋を取って塩で濃いめに味を調整したら強火で水分をほぼ完全に飛ばし、火から下ろして粗熱をとって、フードプロセッサーかミニピーマーで滑らかにクリーム状にする。
4. バゲットなどを軽く焼いてたっぷりのせてカナッペに。

このままパクパク食べるものではないので、塩をしっかり効かせたい。油の量が多い、と文句が出そうだが、少ないと旨味が引き出されない料理もあり、前菜に少しだけパンにのせて食べるものなので、あまり気にする必要も無し、しかもオリーブ油は良品であればそんな心配は無用。

また保存する場合は再加熱し、沸騰した時点ですぐに瓶詰めして蓋をし、逆さにして常温になるまで置く。使う時は上5mm程を取り除く。

by Tomato-no-naru-ki | 2012-09-27 15:44 | つぶやき


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