カテゴリ:食習慣の違い( 6 )


2014年 03月 03日

グリーチャ

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最近、マーガリンが叩かれている。

イタリアに来て20余年になる。最初の頃は、何もかも新しく、朝起きて服を着替えてバールで近所のおじさんたちのおしゃべりを見ながら朝ごはん、というのが嬉しかったので、何の問題もなく数ヶ月が過ぎた。やがて間借り生活からシェアハウスに移り、キッチンが自由に使えるようになると、日本で慣れていたトーストにコーヒーの朝食がたまにしたくなり、スーパーへ そのための買い物に行った。

日本では普通にどこのスーパーでもコンビニでも、ごく普通に朝食用のパンがとても重要な存在感で売られている。ところがこの国では、以前にも書いたが朝食にパンが食されることは珍しく、あくまで食事の付け足しであるから、普通に町のパン屋で売ってるパンは、パスタや肉料理のソースを掃除する役目を担うために、日本のいわゆるバゲットを大きくしてどっしり、しっかり焼いたもので、日本のふんわり食パンにはほど遠い代物である。ここ数年、やっとおしゃれなパン屋がぼちぼち出てきて、北欧系の黒パンだとか、型入りパンと呼ばれる、いわゆる食パンに似たものが出回り出したが、当時は食パンに似たものといえば、スーパーの、カナッペ用に売っている、10cm四方のパサパサ、塩は効いてるが味無し、しかも6-7mmに切ってあってとても便利な(?)ものしか売ってなかった。それでもムリヤリカゴに入れ、乳製品のコーナーへ。
色々なメーカーのバターが並んでいたが、マーガリンは数少なく、確か1ー2種類だった記憶がある。そのうちの一つをつかんでジャムを2種類選んで、支払いを済ませて家に帰った。
翌朝、トースターが無いのでフライパンで無理やりパンを焼き、マーガリンを塗ってジャムをつけて食べた。とても臭くて食べられたもんじゃなかった。

仕事場で同僚に話すと、「マーガリンなんてそんな体に悪いもの、なんでわざわざ買ったの?」と言われた。 確かに植物性だけど、植物性油ってのは、自然界には固形では存在しないんだよ、それをいろいろ混ぜて長い工程を経て やっと固くなるんだよ、と。彼らは実際に何が入っていてどういう過程で、ということは説明できなかったが、それを知らなくても納得できる原理である。 そう言えば、確かに植物性の生クリーム、というのも売ってなかった。
当然、その後は晴れてバターを好きなだけ食べるようになったのは言うまでもない。

くり返すようだが、20年以上前の話である。


材料 4人分
スパゲティ (太め) 360g
ベーコン (スモークでないもの) 8枚
ペコリーノチーズすりおろし 大さじ山盛り4杯
黒胡椒 少々

作り方
1. フライパンにベーコンを並べて火にかけ、中〜弱火でジクジク焼き、カリカリになったら取り出して新聞紙の上などで油を切る。出た油はそのままフライパンにとっておく。
2. 麺を茹でる。塩加減は海水程度。
3. 大きめのボウルにチーズを入れ、少しずつ茹で汁を加えながらクリーム状にする。この時、湯を一気に加えるとチーズが溶けて、冷めると固まってしまうので、あくまでも慎重に。黒胡椒を多めに加える。
4. 茹で上がりの1分前にマグ1杯分の茹で汁をとっておいて1を再度火にかけ、パスタをザルに開けて湯を切る。
5. ザルを振ってフゥフゥ吹いて粗熱を取ったら3に加え、スープ用のスプーン2本を使って底から豪快に混ぜる。好みでベーコンから出た油を加える。少しづつマグにとっておいた茹で汁を加えて、クリーミィに仕上げ、かりかりベーコンを加えて更に混ぜて皿に取り分ける。
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by tomato-no-naru-ki | 2014-03-03 01:26 | 食習慣の違い
2012年 10月 03日

スパゲティ・オリオ・パルミジャーノ

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甘いものはとことん甘く、でなければスイーツとは呼べない。結婚当時から主人に口うるさく言われてきた。そういう私は、最近は慣れてきたが、初めのうちは、ケーキ屋などで買ってきたスイーツ、どれも頭痛が起きる程甘く、その後、苦い砂糖抜きのエスプレッソ無しでは、歯茎の奥まで砂糖が染み込んでヒリヒリする様で、お手上げだった。

日本では、砂糖の効いた和菓子に抹茶、洋菓子に苦いコーヒー等でコントラストを楽しむのが普通であるが、イタリアの場合、食後のスイーツに添えて出される食後酒や、スプマンテは、それに負けずに甘いもの。食後のエスプレッソにも、たっぷり砂糖を入れないと飲めないらしい。それで口の中を甘ーく保って余韻を楽しむのであろうか。

久しぶりに頂き物のイチジクの手作りジャムを使ってタルトを作ったら、主人から、「甘すぎる」と文句が出た。しょうがないので事務所の所員様にと、翌日持って行ったら予想外の大ウケで、私が、「甘すぎないか。」と聞いても誰も縦に首を振る事はなく、あっという間に消えて無くなった。

主人は私に鍛えられたのだろうか。

材料
スパゲティ 400g
パルメザンチーズすりおろし 大さじ山盛り4-5
オリーブ油 大さじ3

作り方
1. しっかり塩を効かせた湯でパスタを茹でる。
2. 大きめのサラダボールにオリーブ油を入れ、ザルに空けたパスタを入れ、茹で上がり1分前にマグ一杯採っておいた茹で汁を少しづつ加えながら和え、粗熱が取れたらチーズを加えて滑らかに和える。 好みで黒胡椒を振る。
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by Tomato-no-naru-ki | 2012-10-03 22:05 | 食習慣の違い
2012年 09月 14日

イカの詰め物

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卵の匂いというものが敬遠されるのはこの国だけだろうか。

朝、スクランブルエッグや目玉焼きを作ると、朝っぱらから!! と嫌な顔をされる。卵は朝食べるものではなく、夜、お腹が空いたが料理をする気がない時などに仕方なく使う食材、と言ったものの様だ。それも夫やその家族が朝、卵を食べる習慣がないから、というだけでもないらしい。ある日本人の友達がお世話になっていたナポリのホームステイ先の家でも同じ扱いで、たまにそうやって卵を食べると、お母さんは食事の後、真冬でも家じゅうの窓を開け放し、コンロの周りを、すり減るかと思うほどゴシゴシ洗って匂い、いや、臭いを取らなければ寝床につかなかった、と言っていた。

朝食と言えば、この国ではカフェ・ラッテに、クッキーをぴちゃぴちゃ浸してズビッと柔らかくなったところを口に放り込む。クッキーのメーカーや種類によって、しみ込む速さが違い、早すぎると固いまま、つけ過ぎると浸した部分がそのままカフェラッテの海の中に沈み込み、あわててスプーンで掬わざる負えなくなる。最初は甘いものを朝に、ということ自体、かなり抵抗があったが、やってみると、子供の頃を思い出すようで、結構病みつきになる。姉がよく、小さい頃、朝食に、前日の残りのケーキなどを嬉しそうに頬張っていたのを、「よくそんな、朝から甘いもん..。」と思いながら見ていたが、この国ではむしろ、それが普通。晩御飯の後のケーキを、「あとは明日の朝のために、」と、わざわざとって置くほどである。バールなどでかっこ良く、カプチーノにコルネット(イタリアのクロワッサン)などをカウンターで頬張るのが普通、と思われている、実はその前に家で、パジャマのままで目をこすりながらする朝食が、これである。

卵の話に戻って、風邪などで熱っぽい時など、おかゆに卵を落としてフーフー、というのは彼らにとっては胃にもたれるらしく、米粒ほどのサイズのパスタをゆで汁と共にスープ皿に盛り、パルメザンチーズである。夫が初めて作ってくれた時は、嬉しかったが正直にお断りした。

材料
剣先イカ 150g前後のもの 12杯
車エビ 4匹
全卵 1個
パン粉 大さじすりきり3杯
塩コショウ
ニンニク
オリーブ油 大さじ3
白ワイン、又は日本酒 60cc

1. イカの脚を取り、骨をとって頭の中を冷水できれいに洗う。
2. 殻を取って背わたを取ったエビと、イカの脚を合わせて刻み、パン粉、卵、塩、コショウ、パセリを加えてよく混ぜる。
3. イカの頭の中に2を詰め、爪楊枝で閉じて、軽く塩を降る。
4. フライパンにオリーブ油をしき、ニンニクを包丁の背で軽く叩いて皮をむき、炒める。
5. ニンニクがきつね色になったら取り出し、イカを両面、色よく焼き、白ワインを加えて蓋をして弱火で20分煮込む。
6. 蓋をとって強火にし、振り混ぜながら水分がほとんど飛んで、とろみが出たら出来上がり。
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by Tomato-no-naru-ki | 2012-09-14 05:30 | 食習慣の違い
2012年 09月 11日

パプリカスパゲティ

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秋茄子は嫁に食わすな、という諺がある。

そんな美味いもん、嫁に食わすなどもったいない、という姑の意地悪だ、という説もあるらしいが、この時期に出回る茄子はアクが強いので、妊婦や授乳中の女性は控えた方が良い、ということが本当の意味らしい。日本で妊婦や授乳中、食べられないもの、というのはこのナスぐらいだろうか。イタリアでは、ナスは特に注意されないが、アーティチョーク、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、アスパラガス、ピーマン、ニンニク、玉ねぎ、唐辛子、胡椒、コーヒー...、全て禁止である。どれも母乳の味を悪くするらしい。しかも、豆類でさえ、全て食べられるわけではなかった。レンズ豆は良いが、その他の豆は、お腹にガスが溜まるからダメ...云々。まともに食べられる物が無いではないか。

乳飲み児のうちからそうやって過保護に育てられるのである。

材料
赤いパプリカ 中3個
玉ねぎ 小1個
プチトマト 10個
オリーブ油 大さじ4杯
鷹の爪 1個
塩漬けケッパー、水で戻したもの 大さじ1
スパゲティ、又は大きいマカロニ 400g
イタリアンパセリ 少々
パルメザンチーズすりおろし 適量

作り方
1. 玉ねぎの皮を剥いてザク切りにする。
2. パプリカのヘタとタネをとってザク切りに、トマトは半分に切る。
3. 鍋にオリーブ油を入れ、玉ねぎとトマトを入れて中火にかける。
4. トマトの皮が剥がれて煮崩れしてきたらパプリカと種を取り除いた鷹の爪を入れて蓋をして中~弱火で20分ほど煮る。
5. 水分が無くなったら水を足して、を繰り返し、ケッパーを指で潰して加え、煮崩れしてドロドロになるまで気長に煮込む。
6. 最後は完全に水分を飛ばしてクリーム状にして、鷹の爪を取り出す。
7. 茹でてザルでよく湯を切ったパスタを大きめのサラダボールに入れ、5を加え、茹で上がり1分前にマグ一杯とっておいた茹で汁を少しづつ加えて、滑らかに混ぜる。
8. 皿に取り分けてから、パセリをちぎって散らし,好みでパルメザンチーズを振りかけていただく。
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by Tomato-no-naru-ki | 2012-09-11 04:27 | 食習慣の違い
2012年 09月 11日

パッケリ コン ズッキーニ

a0284638_5332870.jpgニンニクという食材、日本でも口臭が気になる時には避けられるものである。

イタリアでは玉ねぎもその内に入る。だからサラダなんかに気軽に入れられないし、生でなくても、煮込み料理などにもあまり使われない。玉ねぎだけでなく、青ネギ、ポロ葱など、とにかくネギ属は避けられる。例えばトマトソース。料理に合わせてニンニクを使う時と玉ねぎを使う時があり、どちらも決してみじん切りなどにはしない。丸のまま煮込んで、煮終わったら取り出す。

それほど神経を使って邪魔者扱いされる玉ねぎであるが、実は玉ねぎそのものを主役にした料理、というのが結構ある。丸ごとオーブン焼きにしたり、小振りのものを甘酢煮込みにしたり、オムレツ、パスタ用のオニオンソース、また生で千切りにしてツナ缶とうずら豆の水煮と和えてサラダにしたり、ジャムにもなる。

普段、禁断の果実よろしく扱われているせいであろうか、そればかりは例外、とでも言わんばかりに食卓から早々と消え去るのである。レシピについては後日紹介しようと思う。

材料
パッケリ(大きいマカロニ) 400g
ズッキーニ 4本
バジルの葉 7-8枚
ニンニク 1かけ
オリーブ油 大さじ3
ペコリーノチーズすりおろし 大さじすり切り3
コショウ

作り方
1. ズッキーニに、斜めに細かく切れ目をいれて、3-4cmのざく切りにする。
2. しっかり塩を効かせた湯で、ズッキーニ(12-13分)とパスタを時間差で同じ鍋で茹でる。
3. 大きめのサラダボールに茹で上がったパスタ、ニンニクを包丁の背で半潰しにして入れ、オリーブ油、バジル、コショウ少々加えて、大きなスプーン2本を使って、ズッキーニを崩しながら、下からざっくりまぜる。
4. チーズをふりかけ、さっと混ぜて出来上がり。
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by Tomato-no-naru-ki | 2012-09-11 00:59 | 食習慣の違い
2012年 09月 09日

サーモンのマリネ

a0284638_537640.jpg魚屋に並ぶ鮮魚達。日本の場合、漁港など、よっぽど新鮮でない限り、内蔵が予め取り除かれて売られている。ところがその感覚で買い物をするとひどい目に合う。こちらは鮮度に関係なく、内臓付き、ウロコ付きで、しかも乾燥防止のためらしく、時々ホースで水をかけるので、その度に鮮度が落ちる。

沖縄出身の友人が、そうやって売られていて、しかも割引されているクロダイに食いついたところ、奥様、当時2歳半だった娘ちゃん揃って、見事にハラを壊して3ー4日程寝込んだらしい。

その話を聞いてからは買う前にエラを調べ、家で刺身は控えることにした。

材料
3枚におろして小骨と皮をとったシャケ1kgに対し(尻尾側の半分がベター。)
上白糖 110g
塩 90g
オレンジの皮 1個分
レモンの皮 1個分
アネート、又はフェンネルの実、又はアニス等 大さじすり切り4杯

作り方
1. 塩、砂糖、ハーブ、柑橘類の皮(色のついた部分だけ削いで千切りにしたもの)を混ぜる。
2. ステンレスかガラスのバットに半量敷き、魚を置いて残りを上からかけ、ラップをして冷蔵庫で3日間。途中1日1回魚を裏返し、上がってきた水に、魚がいつも浸かっている状態を保つこと。
3. 冷水で表面に付いたハーブを念入りに洗い落とし、キッチンペーパーでよく乾かして、ラップで空気に触れないように包んで冷蔵庫へ。この状態で10日余り保存できる。
4. 薄く削ぎ切りにし、そのままでも、また、マスタード2:ビネガー1の割合で作ったソース、レモンなどをかけていただく。 醤油には合わないので注意。

他の魚でも試したい。淡白な魚には合わないので、鯖に挑戦したいが、上記のような理由から、ちょっと勇気がいる。
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by Tomato-no-naru-ki | 2012-09-09 22:02 | 食習慣の違い